天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

理科・社会(一貫校向け)

一貫校における理科・社会のカリキュラムには
学校や教師の個性が色濃く反映されます。
要するに、内容はかなりバラバラなので
それを理解するためにも個別の対策が必要なのです。
ただし、明らかに問題のある類型のカリキュラムというのが
一定の割合で存在するので、ここではそれらへの対策を扱います。

一つ目が、自由研究的な宿題を大量に出すパターン。
かなりマニアックな内容なのでどこをどう調べていいかわからず、
英語や数学の学習に支障が出てしまうおそれがあります。
これに対しては、必要事項を調べられる十分な詳しさを持った参考書
をベースにして取り組むのが有効だと思われます。
例えば「中学○○の発展的学習」のように非常に詳しく
辞書的な使い方が可能な参考書を用いることで効率よく進められるでしょう。

二つ目が、いきなり高校の教科書を使うというパターン。
たしかに中学受験経験者は多くの分野において中学内容の
理科や社会を学習済みです。
しかし、一貫校で採用される高校の教科書は、たいてい中学での学習内容が
全て習得済みであることを前提に書かれています。
その中には漢検3級レベルの語句知識や、
中学受験では扱いの小さい世界史や世界地理分野も含まれるのです。

教科書の言葉が難しくて内容理解に差し支えているような場合、
国語の特に苦手な人が小学校内容について必要になるのと同様、
語句の読みと意味を漢検3級レベルまで身につけておく必要があります。
単文中の熟語など、意味を参照しながら即答できるまで繰り返し読む。
また、意味を見てすぐ該当する語句を言えるようにする。
こういった学習のためには「出口の中学漢字トライアングル」シリーズが便利です。

中学校内容の学習ができていないうちに、高校の教科書を渡されてしまうのは
世界史で問題になるケースが多いです。
他の科目なら、通常は受験知識でカバーされます。
中1でいきなり「世界史」の教科書を渡されたり、
中学の歴史で世界史を飛ばしたまま中3あたりで「世界史」の教科書を
渡されたりしてしまったら、どうすればよいのでしょうか。
解決策は2通り考えられます。

ひとつは、自力で中学校内容の世界史を学習してしまうこと。
「まんが中学世界史202」を繰り返し読んだ後、
「一問一答クイックチェック中学歴史」の世界史部分のみ
全問即答できるようになるまで繰り返し解くというやり方です。
もうひとつは、中学時代から苦手だった人向けに書かれている、
資料集一体型の参考書を併用することです。
教科書が何を言っているのかわからなくても
参考書を読めば理解できる、というのは高校内容なら普通のこと。
私が勧めるのは「これでわかる世界史」です。
地図や写真が参照しやすい構成になっていますし、
最低限の定期テスト対策にも使えます。
参考書で理解した後は教科書もよく読むべきだと思いますけどね。