ボカロで覚える高校世界史・日本史 - 天流仁志の受験情報ブログ

ボカロで覚える高校世界史

ボカロで覚える高校日本史

のレビューです。

　このシリーズは、先行して発売された中学生向けの本がヒットしたのを受けて企画されたもの。収録されている曲のタイプはバラバラながら、それぞれの完成度が高く、気に入った曲は何度も視聴したり歌ったりしたくなるというコンセプトは中学生のものと共通しています。しかし、参考書としての性質は中学生向けのものとは大きく異なるようです。

「ボカロで覚える中学歴史」は歴史のかなり大まかな流れと、特に重要なテーマの基礎知識を扱っていますので、単独で初めの一冊としての使用が想定されます。これに対し、「高校世界史」「高校日本史」はかなり学習が進んだ受験生でもしばしば苦手とするような細かい用語の区別が多く扱われています。たとえば日本史では歴代総理大臣の順番（いくやまいまいおやいとかさかさ・・・）、世界史は統一王朝でないものまで含めた中国の王朝名をテーマとした曲が収録されています。これらは知識レベルとしては最難関私立を目指すのでなければ、完璧に覚える必要はないほど。したがって、これらの科目を初めて学習する人よりも、ある程度学習が進んで人が苦手分野を強化するときに効果を発揮する本だと考えられます。

　エンターテイメント性が高いので、初学者が使うとすれば学習目標にはよいかもしれません。これらの曲を完璧に理解することを目標に教科書などで学習するという意味であれば、導入本としての価値もありそうです。