天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

国語(古典・中高一貫向け)

中高一貫校では、英語や数学の先取りという印象が強いと思いますが
国語においても公立では高校から始まる「古典文法」を
中2の半ばくらいまでに早々と始めてしまうのが一般的です。
中学内容の古典を飛ばしていきなり高校内容を扱うような場合、
数学や英語と比べ、古典だけ定期試験の平均点が異常に低いこともあります。
中学受験の勉強とは直接関わらない分野であるだけに、教師によっては
相当数の生徒がいきなり授業についていけなくなるわけです。

そういう問題のある授業には大体2つのパターンがあります。

1つ目は文章を読み進めていくスタイルではあるものの、
助動詞の意味・活用など含め品詞分解をばんばんやっていく方式です。
文法用語の解説などはあまりやりませんし、文法と訳との関係もよくわからないので
初めて古文に触れる中学生が理解するのは至難の業です。
もうひとつは、高校1年生の授業と同様に文法問題集を進めていくスタイルです。
文法自体の説明はわりと詳しく行われますが、あくまで理論中心であって
文中でどう訳すかの練習が不十分であるため、定着しないまま先に進んでしまう
という危険性が大きくなっています。
ちなみに、わりと古文の学習がうまく進んでいる学校の場合、
百人一首」や「徒然草」などを素材として
十分な慣れを作ってから本格的な文法学習に入るようです。

学校の授業がよくわからない時のための対策も2通り考えられます。

文章中心で文法解説が不足している場合は、文法用語を易しく解説した
参考書を、文法事項(章)単位で何度か読んで理解しておくことが有効です。
また、訳のついた文章もある程度読んでおくとよいでしょう。
この目的で使う参考書としては
望月光の超基礎がため古文教室 古典文法編 (旺文社)が進められます。

文法解説中心の授業の場合はドリル学習、
特にある程度の数の短文を連続ですらすら訳せるまで繰り返し読むことが有効です。
また、やはり文章への応用もある程度経験しておくほうが良いです。
この目的で使う問題集として、
古典文法10題ドリル 中2~高1レベル(駿台文庫)
が勧められます。