天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

受けておくべき模試

難関大学を目指すなら、学習がうまく行っているかをチェックし
目標までの距離を測るために全国模試の受験が欠かせません。
しかし、志望校の傾向に沿ったものでなければ学習効果も低いですし
自分の位置を確かめることができません。
その模試を選ぶ参考として、世間に出回っている情報にはやや難があります。
どういう模試を受けると効果的なのか、という点でも文系には文系の事情があるのです。
詳しくは各大学の対策の中で説明するとして、ここでは概論を示します。
特に高1、高2の皆さんに読んでほしい内容です。

まず高校1年生向けとしては
代ゼミの高1トップレベルとZ会の高1プレステージがお勧めです。
この時期の進研模試や全統記述だけで難関大向けの情報を得るのはかなり無理がありますし
駿台全国は数学が理系向けであることと国語の問題・採点の質が落ちるのが難点。
もちろん基礎の定着を確認するためになら全統記述はおススメです。

高2ともなると進学校では受験レベルの学習が始まります。
だから、受ける模試にも受験生向けのものを積極的に取り入れたい。
実際、いくつかの進学校では受験生向けの進研模試や全統記述を団体受験します。
某高校では秋の駿台全国模試も団体で受験しているようです。
社会が必要な場合は範囲を速習した上で、夏ごろから全統マーク模試や
大学別の「プレ」「オープン」などを目標にしたいところ。
早いうちに本番の形式を体感することで俄然やる気が出ます。
ただし、本番以上に難しいものを扱うメリットはあまりないので
なるべく易しめとされているものを選びましょう。
2月には東大本番レベル模試と高2トップレベル模試が同日に行われます。
東大・京大・一橋大の志望者は東大本番レベルを受けておくといいでしょう。

高3生は月に1回程度のペースで受けておきたい。
遅れがちな社会の学習には格好の目標になるからです。
各大学型の模試に加えて一般的な国公立志望者は全統マークや駿台(ベネッセ)全国マーク、
問題が難しい国公立志望者なら駿台全国、私大志望者は全統記述を受けておきます。
学力がまだ低い人や志望レベルが高くない人には駿台全国判定模試もいいでしょう。
科目によりますが、センターに近いと言う意味では駿台(ベネッセ)の方が信頼できます。
私大志望でマーク模試ではなく記述を使うのは、記述の方がセンター型よりもむしろ
私大型に近いから。同じマークシート方式でも私大とセンターは全く傾向が違うのです。
全統記述は名前のイメージとは違い、短答型の問題が大半を占めるので私大に近い。
したがって、難関国公立志望なら大学別の模試も必須なのです。
なお、志望校に即応した模試の数が少ないという人には
傾向が近い他大学用の模試を受けておくことをおススメします。

蛇足になりますが、模試以外の塾・予備校や通信指導の利用に関しましては
立場上、公平の観点から説得力のある発言ができませんのでコメントを控えさせていただきます。