天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

札幌における東大志向の低さは一時的なものか

 サンデー毎日などで各高校の国公立大学合格実績が掲載され始めています。東大合格者数で目立つのは首都圏の各公立トップ校の増加。一方で、首都圏以外の有名進学校ではまちまちで、灘を筆頭に東大志向が強くなったところもあれば、かなり弱まったところもあります。

 札幌の二大進学校である北嶺と札幌南はともに東大志向が弱くなったようです。速報段階での数字ですが、

 北嶺は東大現役合格者数が13→7、浪人も合わせれば17→7と大幅に減っているのに対し、道内国立医学部の現役合格者数が15→22名と増えています。現役だけで見れば、東大が減った分地元医学部が増えていることになります。インターエデュの合格率は防衛医大を加えているので不正確ですが、それを差し引いても国公立医学部現役合格率は全国トップになっている可能性があります。

 札幌南の現役合格者数は東大が14→13でほぼ変わらずなのに対し、京大が10→19と大きく増えています。医学部もほぼ変わらずのようなので、単純に京大志向が強まったと考えていいでしょう。

 問題はこれらの動きが単純に今年の現役生の志向やコロナ禍の影響による一時的なものなのか、今後も定着するのかということです。もし定着するなら、北嶺は国公立医学部現役合格率の全国トップを争うことになり、全国から医学部志望者が集まってくるかもしれません。逆に首都圏出身者など東大志向が強い層は中学受験、高校受験の段階で道外への進学を考えるようになる可能性もあります。

 当教室では道外の高校受験にも対応していますが、国公私立問わず全国の難関校の入試問題は北海道の易しい入試問題とはまったく質が違います。北海道学力コンクールのような非常に易しいテストに慣れてしまってからでは対応が難しくなってくるので、少しでも道外の難関高校受験が視野に入るのであれば早い段階で駿台中学生テストのような全国レベルの模試を受けておくことをおすすめします。