今年、札幌南高校が東大・京大や国公立医学部に公立高校としては全国でもトップクラスの合格者数を出しました。
一方、少し前までは札幌南に近い実績を出していた札幌北をはじめ、市内近郊の他校は軒並み苦戦しています。
ひとつの要因としては、札幌南高校に導入された学力点:内申点が10:0の枠が考えられます。学力は高いが何らかの理由で内申点が低い子が札幌南高校に集中した結果。内申点が低いケースは体育や美術が苦手だったり、教師に嫌われていたりというおなじみの理由のほか、北海道ならではのものも考えられますね。北海道は中1時点からの成績評価が内申点に反映されるため、中2以降に実力を伸ばす晩成タイプの子は不利になっていたのです。
そして、もう一つの要因と考えられるのが全国的に広がっている長距離通学への抵抗感です。東大合格者数を大きく増やした横浜の聖光学院など、いままでは他地域に流出していた受験生を集めて実績を上げている学校は多い。札幌南もその一つだと思います。根拠は、他の進学校と比べた場合の札幌南の立地の良さ。以下に札幌近郊の主な進学校の立地をランク分けしてみました。
A 地下鉄駅近く
B 地下鉄駅からやや遠い
C 地下鉄駅から結構遠い 郊外駅から近い
D 地下鉄駅からかなり遠い 郊外駅から結構遠い
E 郊外かつ駅から遠い
公立
札幌南A
札幌北B
札幌西C
札幌東B
札幌旭丘D
札幌国際情報D
札幌月寒A
北広島D
私立
札幌光星A
札幌第一A
札幌日大C
中学受験のみ
道教大附属札幌E
札幌開成B
北嶺E
藤女子中A
「東西南北」と呼ばれる上位校はいずれも地下鉄沿線にありますが、駅から近いといえるのは札幌南だけ。また、近年これら公立校の滑り止めになっている札幌光星・札幌第一の2校も駅に近く便利です。これが重視される背景には、市内中心部といえど、冬に駅から長い距離を歩いて通学するのは大変で、吹雪の日だとバスもあまりあてにならないという地域事情があります。
ちなみに、札幌近郊の中学入試で以前から人気がある「北嶺」「立命館慶祥」「道教大附属札幌」はいずれも中心部からかなり離れた所にあり、学校の近くやスクールバスの沿線に住んでいるのでなければ二の足を踏んでしまう家庭が多そうです。
駅からそれなりに歩くとはいえ、地下鉄沿線にある「札幌開成」が人気を集めるのも当然のことではないでしょうか?