天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

札幌の小学生向け進学塾の価値が高い理由

札幌には小学生向けの集団指導型進学塾が3つあります。

  日能研札幌 四谷大塚NET 標準札幌校

 です。

そのほか、個別指導塾や補習塾のなかにもある程度中学受験に対応しているというところもありますが、これら3塾のような機能は限定的にしか持っていません。

 日能研四谷大塚は全国チェーンなので道外出身の方にもイメージしやすいかと思います。標準も元は全国チェーンだったのが衰退し、札幌にはそのまま残っているという塾でカリキュラム的には他の2校と大差ないようです。それぞれの塾に特徴はありますが、いずれも道外難関校に対応しうるカリキュラムなので、札幌の小学生がついていくのはなかなか大変かもしれません。

 しかし、これらの塾の価値は首都圏など他地域以上に高いと考えています。なぜなら、北海道には中学生向けの集団指導型進学塾が存在しないからです。

 進学塾のメリットにはいくつかありますが、私が特に重要だと考えていることは以下の3点。

 ひとつ目は厳しいカリキュラムについていくために、必然的に学習の効率が上がっていくことです。1時間も2時間もかけて学校の宿題をダラダラこなすような勉強では、すぐについていけなくなります。逆に言うと、進学塾にはついていくだけで集中力が身につく可能性が高いわけです。

 ふたつ目はある程度難しい問題にも通用する頭の考え方が身につく可能性が高いこと。これを私は学習の作法と呼んでいます。学習の作法が身についていないと難しい問題には手も足も出なくなりますし、高校では教科書を理解するのも非常に困難になってしまう。

 そして、3つ目は集中して学習することや作法に従った解き方をするのが当たり前だと思えるようになること。周りの子たちが当たり前のようにそうやっているから、自分もそうするようになるという、集団指導塾ならではのメリットです。

 学習の作法は、これから国公立大学を目指すのなら必須のスキル。当然、小中学生のうちに身につけておくのが望ましいのですが、中学生向けの大手進学塾が存在しないために小学生のうちに進学塾に通っておかないと身につけにくいという地域事情が北海道にはあるわけです。

 中学は首都圏の私立を考えているならもちろん、中2〜中3で東京に引っ越す予定という場合でも、いずれかの進学塾に通っておいてスムーズに向こうのやり方につなげるようにしておくのがよいと思います。