天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

札幌南を受けるかどうかでよく考えるべきこと

 そろそろ学力テストABCの道コン換算偏差値が出され、三者面談に向けて受験校を決めるという時期です。学力テストは特に数学が簡単すぎて参考にしにくい面もありますが、一応の目安偏差値は得られることになります。

 これをもとにどの学校を受けようか迷っている、というような受験生には、私は札幌南高校の受験はおすすめしません。入学後、すぐについていけなくなる可能性が高いからです。実際問題、南高に進学したら北大にいけなくなるが北高に進学したら北大に現役合格できるだろうと思われるケースが多々あるのです。これは両校、というか道内で言えば札幌南高校と中高一貫校も含めた全ての高校とのカリキュラムの違いによります。

 簡単に言うと、札幌南高校では高校基本レベルの学習にあまり力を入れないカリキュラムになっています。受験勉強として高校基本レベルの学習を十分やってきた東京や大阪のトップ校とか私立難関校の生徒なら、そういったカリキュラムでもそれなりにやっていけるでしょうが、問題がやさしい公立高校や滑り止め校の対策に終始してきた生徒がついていくのは至難のワザでしょう。

 では、札幌南高校のカリキュラムについていくには、どの程度の学力があればいいか。以前、数学について説明したので今回は英語です。

 結論から言うと、英検2級合格レベルくらいが必要になってきます。高校基本レベルというと、英検で言えば準2級と思われるかもしれませんが、札幌南高校の英語では1年生から到達レベルが英検準1級の単熟語教材を与えられたりします。英検準2級になんとか合格する程度の英語力では相当の苦戦が予想されます。あの教材が想定しているのは英検準2級レベルの文章がすらすら読めて、英検準2級レベルの単熟語構文を大体覚えているレベルでしょう。そのレベルだと、英検準2級で9割程度得点できると思います。そして、その場合のスコアは英検2級合格相当になるのです。

 英検準2級レベルを極めるのでも、英検2級以上のレベルに手を出すのでも、どちらでも英検2級合格は可能です。おそらく東京では前者が多く、大阪では後者が主流でしょう。