近年の進学校の大学合格実績ランキングの変化には、個々の学校の事情ではなく全国的に大きな影響を与えている、いくつかの根本的な要因があります。これらにより、県内のトップ校が入れ替わるような例もあるようです。
1 遠くの有名校を避け地元のトップ校を選ぶ地元志向。
2 男子校・女子高を避け共学校を選ぶ共学志向。
3 公立中高一貫校の増加。
4 公立高校の学区統一の動きと私立高校無償化。
1によって、ラ・サールをはじめ遠方から生徒を集める高校のランク低下、各地域トップ校のランク上昇が起こっています。首都圏では東京一極集中がいくぶん緩和され、埼玉・千葉・神奈川のトップ校がランクを上昇させました。
2によって共学化した有名私立に加え公立トップ校もランクを上昇させています。首都圏の日比谷や横浜翠嵐が東大合格者数を大きく増やしたほか、九州の久留米大附設がラ・サールを抜いて地域トップになり、近畿の西大和と北野も大きくランクをあげています。
3は地方においても大きな影響があります。公立中高一貫校に中学受験組のトップ層が一定程度流れるため、各地で公立一貫校が東大や国公立医学部現役合格率の地域上位に出現しました。逆に地域トップ校をのぞけば、医学部に現役で合格できることで評判を保っていた地方の私立一貫校は厳しい立場に立たされつつあります。
4は公立トップ校の躍進の主因とも言えるでしょう。公立トップ校に人気が集中すると当然不合格者も増え、その受け皿になる私立高校のランクも上がっていきます。二番手、三番手クラスの公立校を私立が逆転する、それまでは進学校として認知されていなかったような学校からコンスタントに東大や国公立医学部の合格者が出るということが起きてきています。