天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

進学校の合格実績評価の考え方について

  高校の進学実績を考えるとき、もっとも参考になるのが一定以上のレベルの大学に対する現役合格率です。クラスから何人程度がそれ以上のレベルの大学に合格できるか、学年で何位くらいならその大学に合格にできるか、といったことが推定できるからです。

 例えば東大現役合格率が5%を超えていれば、平均してクラスから複数東大に現役合格できる学校だということです。また、東大・京大・一橋・東工・国公立医学部のいずれかへの現役合格率が25%を超えていれば、クラスから10人はどこかの国公立医学部にであれば合格できる程度の学力があるということが推定できます。

 ここで扱いが難しいのが私立の特別クラスです。単純にクラスから何人合格ということであれば、私立の「東大クラス」などの合格実績が公立トップ校に匹敵するということもありえます。しかし、大抵の場合特別クラスには他のクラスとの入れ替え制度が存在します。つまり、「最終的に特別クラスに所属していた生徒の実績」=「特別クラスの」とは言えないわけです。

 また、学校全体が進学校でない場合、言い換えると進学コースの生徒が少数派の場合、特別クラスの生徒といえどほかのクラスからの影響は無視できないと思います。

 そういうわけで、特に地方の私立高校の実績については、「○○クラスに限ればもう少し上だろう」とは言えそうですが、「○○クラスの合格実績が公立の○○より上」とは言い切れないため、あいまいな評価にならざるを得ないでしょう。