天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

簡単すぎるまま終わった裁量問題と札幌南の進度

道コン事務局から予想ボーダーが発表されています。

内申点がAランク真ん中程度の場合の合格ラインは

札幌南253点(84%強) 

札幌北233点(78%弱) 

札幌西232点(77%強)

などとなっています。もともと易しいと言われている北海道の高校入試問題ですが、今年は休校に配慮したのか、特に数学や理科が例年以上に易しい問題でした。

 さすがに札幌南では合計で8割取れないと合格できないのですが、それでも易しかった科目で9割以上取れていれば苦手科目では8割取れなくても合格できるというボーダーラインです。

 もしその苦手科目が英語や数学だったら、高校の授業についていくのは非常に困難でしょうね。なにしろ、このところの札幌南高校は公立としては全国最速ではないかと思われるようなスピードで英語や数学を進めていますから。

 数学で言えば高1の時点で数2Bまで、高2夏には数3までというペースは大阪の北野や東京の日比谷といった明らかに格上の高校よりもかなり速いです。経験者として言わせてもらいますが、これでは数学についていくためには相当な時間がとられる、しかし数学にばかり時間をかけていては他の科目に手が回らくなるという非常に厳しい状況です。

 私がその状況を経験しているのは、高校から鹿児島のラ・サールに通っていたからです。今と違い、当時のラ・サールは東京からも大阪からも多くの生徒が集まる全国トップクラスの進学校でした。その入試を経ているから高1の時点で数2Bまで、英語は単熟語構文の知識一通りこなすというカリキュラムが成立していたわけです。

 札幌南高校だとそれにしっかりついていけているのはせいぜい上位2〜3割程度だと思います。それ以外は高1のうちに英語と数学のいずれかで授業やテストについていけなくなっている可能性が高いです。入学予定の方には、今のうちに高校基本レベルの勉強を済ませておくことを強くおすすめします。