天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

現代文解法の新技術

著書の中ではさらっと触れている本ですが、なぜか書房では現在取り上げていません。
なぜ取り上げていないのかについて少し説明したいと思います。

この本の特徴はなんといっても解法が細かく詳しいことですが
難しい文章が多いのに背景知識や語句解説はほとんどありません。
したがって「背景知識や語句知識は豊富だが解法はてんでダメ」という人に向くと思うのですが
そういう生徒をなかなかイメージできないんです。
あの文章を読みこなせるなら、だいたいあのレベルの設問なら解けてしまいますからね。
また、部分ごとに詳しい解説というのが「全体から部分へ」という私のスタイルと合いません。
出口とか駿台系にもそういう性質が強いですが「新技術」はさらに極端だと思います。

Amazonで批判レビューがついている上智の問題なんかまさにそうですね。
※比較的長い傍線部に対しての説明として正しいものを選ばせる設問です
河合出版とか船口系のオーソドックスな解説なら以下のようになるでしょう。

一読して解ける易しい設問。
アには選択肢の前半、イ、ウには後半部分の要素しかない。
唯一傍線部全体の説明になっているエが正解。

で、河合出版系ならこの前かあとに時代背景や語句の意味に関する解説がつく。
「新技術」は答えに至るプロセスが長々と説明されており知識面の解説はない。
どちらの方が生徒のためになりやすいかという問題です。