天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

公立高校のボーダーラインが暴落か

北海道学力コンクール事務局によると
「裁量問題」導入で話題になった公立高校のボーダーラインが
軒並み1~2割も下がるという事態が予想されるそうです。

主要五科目の評定がオール5で実技科目の評定がオール4に相当する
「Bランクの中間」の内申点の生徒の場合、入試の点数が
以下の数値以上であれば合格するだろうということです。
満点は150や200ではありません。300点満点です。

学科はいずれも普通科の点数で、理数科などはもう少し高いのですが…

苫小牧東 96 小樽潮陵 98 北見北斗112 室蘭栄 137
岩見沢東160 釧路湖陵125 北広島 146 旭川西 157
函館中部169 旭川東 203 旭川北 190 帯広柏葉191 
札幌旭丘210 札幌開成191 札幌月寒180 札幌手稲169
札幌南 227 札幌西 231 札幌北 227 札幌東 216

3月6日時点の予想です。

また、今まで非常に易しかった国語が大幅に難化した事から
裁量問題を採用しなかった学校でも軒並みボーダーが大きく下がり
「Bランクの中間」の場合5割以上なのは
大麻高校の150や帯広三条の180くらいです。

確かに去年までの北海道の問題と比べれば大幅な難化のようですが
「裁量問題」を含め、首都圏などの塾で扱う内容に比べれば
特に難しいといえるような出題ではありません。
いくら学校や塾では成績がよくても応用力に欠け、
少しひねった出題になると途端に解けなくなってしまうという
北海道の教育における問題点を如実に示していると思います。
また、「時間切れアウト」になってしまった生徒が多いとの分析もあり
ゆとり教育」により全国的に問題になっている時間へのルーズさ
が現れたのではないかとも思われます。
難易度調整に失敗した出題側や、分析ができなかったテレビへの批判が出ていますが
非難されるべきは教育委員会をはじめとする関係者がほとんどの中学生の学力を
この程度の問題にも対応できないレベルにしてしまったことではないでしょうか。