天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。最近「参考書じじい」としても活動を始めました。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

北海道教育大学附属札幌中 算数の分析 5年分の概要

中学受験では算数でもっとも差がつくことが多いのですが

北海道教育大学附属札幌中は特にその傾向が強そうです。

算数以外の問題が非常に簡単だからです。

 算数も年によっては簡単なことがありますが、このところは説明問題や適性型に近い実験や分析をさせる問題などで適度に差がつくことが多いようです。

 2020年はやや易しめ。休校への配慮のため範囲が狭くなる特殊な事情がありましたが、教科書レベルの問題が多い中で、附属中特有の文字式を使った説明問題が目立つといういつものパターンでした。わかっていることを順に書き込んでいくという基本的な作法と、図形のわからない問題に時間を書けないという時間配分の基本テクニックができていれば、ほとんどの問題は解けたことでしょう。この年に限っては受験算数パターン暗記が通用する問題もそれなりにありました。明確な易問が多く、難問が少ない分、前年よりはいくぶん点を取りやすかったと思います。

 2019年は標準的。附属中にしては難しい問題がいくつかありましたが、1問を除いて終盤に集中しています。中盤の難問に時間をかけすぎなかったか、序盤からでてくる教科書レベルの説明問題をきっちり書けたかどうかで差がついていそうですね。

 2018年は易しめ。ただし、前年度に多かった受験算数が通用する問題が減って、実験すればすぐに解ける問題が目立った年なのでパターン暗記だけに頼っていた受験生はあまり点数が伸びなかったかもしれません。

 2017年は大問が8題と多く、前年度に目立った適性検査的な問題がさらに増加していました。教科書基本レベルの問題が少ないだけでなく、明確な難問もなかった上に出題ミスまであったようなのでパニックになって実力を発揮できなかったような受験生も少なくなかったのではないでしょうか。もっとも適性検査的ではありながら受験算数のパターン暗記が通用する問題も結構あったので、現実としては私立対策もしていた子が有利だったのではないかと考えられます。

 2016年は適性検査的な出題が特に図形で目立ちましたが、1問を除けばいずれも教科書レベルであり、合格にはかなりの高得点が必要だったと思われます。もちろん、この年のような出題でミスをしないようにすることは大切ですが、このレベルの問題だけでいいと考えるべきではないでしょうね。

 設問ごとの細かい分析や具体的な予想配点、目標点についてはGLS予備校札幌校で指導しております。有料となりますが体験授業時に資料をお見せすることは可能ですので、附属中が第一志望の方はぜひご検討ください。