塾別の札幌南高校合格実績は以下のようになっています。(一部推定ですが)
練成会グループ 114名
うち啓明教室9名 伏見教室8名 麻生教室7名
ニスコ 52名
うち恵み野教室7名 森林公園教室6名 栄町教室4名など
駿台小中部 20名(合格率表記からの推定)
うち北大前本部校10名(教室に大きく張り出してる)など
進学プラザ 12
TANJI 10
秀英予備校 8
北大学力増進会 非公表
一見してわかるように総数では練成会とニスコが強く他のチェーンは非常に少なくなっています。秀英予備校は一桁、北大学力増進会はもう何年もずっと公表できないほど少ない。こうなる大きな理由の1つは授業料でしょう。練成会・ニスコに比べて進学プラザ・増進会は授業料が割高なので高所得者が少ない北海道では生徒数を伸ばしにくいと考えられます。コロナ禍直撃で当分苦戦を免れないのではないでしょうか。
一方、秀英は特に割高でないのに札幌南高校の合格者が少ない。これは主な教室の所在地が影響しているでしょう。札幌南高校の合格者は一部の地域に偏在しているので、その地域に拠点があるかないかで大きく数が変わってくるというわけです。練成会グループやニスコは特に好調だった教室が教室単体の合格実績を公開しているので、そこからもはっきりわかります。秀英全体の札幌南高校合格者は練成会の啓明教室よりも少ない。他のチェーン塾にあって秀英にないのは円山周辺の拠点教室というわけです。
ちなみに、秀英の札幌北合格者が特に少なくないのはあいの里の拠点教室が大きく寄与していると考えられます。秀英のあいの里校のページを見ればすぐに分かる通り、あいの里(+当別)では抜群のシェアを誇っています。この地域には北海道教育大札幌校や北海道医療大学があり、学校の先生が好んで居住するため上位層が厚めなのでしょう。札幌南合格実績からはあいの里の秀英と同様に恵庭や厚別のニスコが非常に強いらしいということが見て取れます。
さて、問題は地区によって強い塾が違ったり、教室の所在地によって合格実績が大きく異なってくることの意味です。こういったデータから読み取れるのは、はっきり言ってしまえば、札幌圏において公立上位校への入学のためにはどこの塾に通うかよりどこの学校に通うかのほうがはるかに重要であるということではないでしょうか。かつては道内で圧倒的なシェアを誇っていた増進会、本拠地の地元トップ校には圧倒的に強い進学プラザや秀英の指導内容が練成会やニスコに大きく劣るということは考えにくいですしね。