天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

数学(一貫進学校編)

中高一貫進学校では、進度が速いだけあって
テスト範囲も相当広くなります。
テスト前の「テスト勉強」だけで乗り切るのは
困難ですから、普段からの「テスト勉強」が
重要になってきます。

テスト勉強とは時間内に正答を出せるようにすることです。
小テストをやってくれる先生なら、それが基準です。
時間内に満点が取れるまで繰り返し解いて下さい。
定期テストの前にではなく、小テストを返されたその日にです。

教科書や傍用問題集の問題を扱う場合、授業のあった日のうちに
自力で、時間内に解ける状態にしておくことです。
手を止めずに解ければ合格としていいでしょう。
注意点は、解けなかった問題だけではなく、
解けたけど途中で詰まったりして時間のかかった問題も
同様にこなす必要があるということです。
進み方があまり早くない(授業時数が多い)という場合は
この作業を授業中にやってしまえばいいと思います。

応用問題の対策としては、解法の手順を説明するやり方が有効です。
まず、グラフを書いて、数字や文字式を書き込んで、
次にここに補助線を引いて、この三角形で三平方の定理を使って…
という具合です。このやり方であれば、かなり速い授業でも
直後の休み時間のうちに復習ができます。
この手順をすらすら言えるようになっていれば
応用問題だからといって特に構える必要はありません。

まとめ
進度の速い一貫校の数学で好成績を維持できるかどうかは
普段からテストを意識した復習ができているか否かにかかっています。

【苦手分野がある場合】
特に高校内容で苦手な単元がある場合、その単元に必要な「作法」と言うべき
思考プロセスを踏まえられていない可能性が高いです。
どうも「センス」「ひらめき」と誤解されることが多いようですが
一貫とはいえ少なくとも中学校の数学には先天的な要素などあまり関係ないと思います。
得意な人は当然のように図や表のによる分析をやっているのですが
苦手な人はその作業がこなせていないのです。
そうした「作法」を身につけるのに有効なのが
理社出版の「にがてな人へ」シリーズです。
多くの問題集では省略されがちな図や表による分析部分を完全に収録しているため
その答案を再現する訓練によって自然に「作法」が身につくはずです。
大学によりますが「作法」に従っていない記述答案には
全く点がついていない可能性もあり、早くから身につけておくことが重要だといえます。