天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

東大英語のユーモア

東大の英語はわりと頻繁に形式や大問ごとの難易度バランスが変わります。
この点、比較的傾向が安定している国語や数学、社会とは異なります。

近年だと1Bを捨てる作戦が流行ってきたところで1Bを易しくする。
文法対策は不要と考える機関が増えたところで、基本的な文法問題を多く出す。
そして要約問題にあえて具体例を書かせるような指示をつける。
いかにも予備校や進学校による対策のウラをかいているような出題です。

これにはいくつかの意図があるものと思います。
ひとつは実用的な英語力という要請から臨機応変に対応する力を見ているということ。
実用ですから決まったテーマで決まった論理展開の文章を訳したり
特定のシーンで特定の表現を使ったりするのではなく
場面に応じた英語を理解し表現させようというわけです。

もうひとつに、「ユーモア」のセンスというものがあるのではないかと思います。
いつだったかの受験漫画で「東大英語は笑った者が勝つ」などということが書かれていましたが
まさにその通りでしょう。
「具体例に触れて」という指示を見て慌てるのではなく笑うような受験生が勝つはずです。
また、個人的な印象ですが、駒場の英語の教官にはユーモアのある方が多くいました。

そう考えると、今後も例えば「長文は先に解け」という流行戦術の裏をかいて
長文と要約や自由英作文を融合した問題がでたりするかもしれません、
そうなっても慌てずに笑えるようにすることが東大英語の攻略法といえるかも知れません。