天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

試験は友達怖くないよ

中学生に限らず試験が怖い、という声はたくさん聞きます。
なぜそんなに怖いのでしょうか?
私は未知への恐怖という点が大きいのではないかと思います。
知らないもの、初めて見るものが怖いのは当然。
しかし、同時にここで違和感も覚えます。
それまで学習してきたことの「試験」が「初めて見るもの」
とはいったいどういうことなのでしょうか?

私は「時間内に根拠を持って正解を出す」という形式が
「初めて見るもの」になってしまっているのではないかと考えます。
たとえ問題演習の形式で学習していたとしても
そこに制限時間がなかったり、根拠がわからないままだったり
正解を出せないまま終わっていたり、といった具合で
試験の形式には出来ていないからであると。

試験と同じ形式・内容の問題が全て自信を持って正答できるようになっていれば、
試験を受けるときも同じことをやるだけですから怖いことなど何もありません。
もちろん出題者によって形式・内容に違いはありますから
それに対する対策も変わってきますし、「実力問題」が含まれることもあります。
しかし、十分な量の学習が出来ている人から見れば東大2次の問題でさえ
ほとんどが「見たことのあるような問題」であることも事実です。
そして、それらの問題について「時間内に根拠を持って正解を出す」
訓練が出来ている人は自信満々で合格していくのです。
むしろ、試験を楽しんでいたりします。

私は、何者なのか正体不明で恐怖の対象である試験を
よく見知った友達にするというのが、試験勉強の本質であると考えています。