天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

理科の各科目分析

物理…センター物理解法マニュアル

新課程初年度は計算すらほとんどいらない簡単な試験だった。基本概念の理解ができていればどの分野も高得点が可能で短気完成も狙える。しかし、やはり文字式の処理が多いので文系にはとっつきにくく大量失点の可能性もある。。いきなりセンター対策本が理解できるような人以外は安易に選択すべきでない。

化学…思考・計算問題 サブノート化学機
   知識問題 理解しやすい化学1・2 新課程版

計算問題は複雑ではないし、数値の選択肢が与えられるので算数が苦手でもなんとかなる。しかし、2に移行したのはほとんどが理論分野なので必要な知識量が断トツに多い。その知識がかなり細かく突っ込まれ、特に正誤の組み合わせ問題が難しい。辞書型参考書を丸暗記すれば対応できるだろうが現実的ではない。化学2の範囲まで含め演習を積んで慣れていないと9割以上の確保は難しいと思われる。理系生はほぼ確実に選択してくるため平均点は高いが文系生が安易に選択すべきではない。

生物…サブノート生物機∥膺硬阿離札鵐拭爾呂海譴世院生物1 新課程 演習/実験・考察編
新課程入試では期待に反して知識問題が多くなったが、代謝などが2に移行したので必要な知識量はそれほど多くない。さらに考察問題でも難問は作りにくいと思われる。平均点が低くなることもあるが文系生がこぞって生物を受験するためでもあり、対策がしっかりできていればどうということはないだろう。ただし、減ったとはいえ考察問題の割合は理科の中で最大なので、図表の読み取りが絶望的に苦手な人にとっては厳しい試験。同じく考察問題の多い現代社会とは相性がよい。

地学…サブノート地学機.沺璽式基礎問題集地学1

科目自体さまざまな分野の寄せ集めといった印象で、試験としても各科目の特徴を併せ持っている。知識で取れる問題が多い一方で、難しくはないものの実験・考察問題や計算問題もそれなりにある。従って無難といえば無難ではあり、難問率の低さから高得点も狙いやすいが、新課程での範囲縮小があまりないので他科目に対する優位性は低くなったと思っていいだろう。一部の分野で関連がある地理とは相性がよい。