去年、今年と北大をはじめとする一部の国公立大学で明らかに問題が難化し、今までの過去問ベースの対策が通用しにくいという事態が起きているようです。
背景にあるのは、やはり共通テストの傾向でしょう。一次試験である共通テストが極端に処理速度を重視するような出題になっているため、二次試験で処理速度重視の出題をすることの意義が見いだせなくなってきたということではないでしょうか。二次試験の個性が失われることには寂しさも感じますが、大学側としては共通テストへの当然の対応ということになるかと思います。
医学部のように、易しい問題や典型問題を速く正確に解くことが将来的にも重要になる学部もありますから、すべての大学で処理速度重視の二次試験をやめるということにはならないでしょう。しかし、全体としてみれば共通テストの傾向が今のままなら二次試験難化の流れもかわらない可能性が高いと思います。
従来から処理速度重視とは逆の傾向の出題が続いてきた大学の過去問などを利用するのがオーソドックスな対策になるでしょう。また、出版社の性質からこの傾向をいち早く反映させてきたのか、ただの偶然なのかはわかりませんが、学校などでは古い傾向に合わせた対策しかできないような人が新傾向に合わせるのにうってつけと思われる参考書も登場しています。