共通テストは国語以外の科目、特に数学や理科でも読解力重視の傾向になっているのがセンター試験時代との大きな違いです。しかし、受験生にもっと読解力をつけさせたいという意図であれば大失敗かもしれません。
多くの受験生にとってセンター試験では、国語の点数を安定させることが最大の課題でした。他の科目では安定して高得点を取れる受験生でも国語だけは大きく失点してしまうということがよくあったからです。だから、センター対策といえばまず国語、続いて文系なら理科・社会(+数学)、理系なら社会に時間をかけるのが一般的でした。
ところが、共通テストでは国語以外でもほかの試験では見ないような問題が多く出題されます。一般的な記述模試で高得点が取れる受験生でも、共通テスト対策をしないと共通テストでの高得点はおぼつかなくなっっているのです。理系でも共通テスト対策として数学や理科に多くの時間を割かなければなりません。当然、そのぶん国語にかけられる時間は減るでしょう。
国語以外でも読解力を要求する独特の出題を増やした結果、国語の勉強にかけられる時間が減ってしまうとしたら、受験生の読解力にあまりいい効果はないと考えられます。