天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

京都大学

【総論】センターと2次の比率は学部によって大きく異なる。脚きりさえ通過すれば理科以外の点数を参入しない総合人間学部と、事実上かなりセンター重視の文学部が対照的。2次ではセンターで選んだ以外の地歴科目を解かせるという独特の方法で科目数を確保している。
名目だと総合人間100:650、文学部250:450、教育250:650、法250:500、経済250:550。
国語と英作文は強烈な難易度であまり差がつかないと推測される。したがって、これらの配点が高い学部は相対的にセンターの配点が大きくなる。2次の配点も学部によって大きく異なるので、偏差値と合格最低点や平均点の高さは一致しない。

【英語】ランクS
和訳…英文解釈教室
作文…実戦編英作文のトレーニン

とにかく硬派な文章を和訳、英訳させる。難易度は間違いなく日本一。日本語としても内容が結構高度なので国語力も前提。構文把握力、語彙力、表現力どれ一つとっても最高レベル。生半可な対策では通用しない。なお、関西の高校や予備校には明らかにこの形式を意識しているところが多いようである。

【国語】ランクSS
現代文…記述編 現代文のトレーニン
古文…古文解釈の完成

現代文、古文ともに難解な文章を読ませた上で長文での解答を求める形式。解答欄は昔ほどではないにしろ広く、コンパクトにまとめる力よりも難解な文章を理解・説明する力が重視されているといえる。おそらく多くの受験生にとっては難易度が高すぎるので、あまり差はついていないはず。

【数学】ランクA
大学への数学1対1対応の演習

最近文系・理系を通して易化傾向が定着しつつある。典型問題の中に1題と何問かだけ難問が混ざる形式に落ち着くのではないか。出題自体は標準レベルの典型問題中心であるが、論証が不完全な答案を減点することで差をつけているものと思われる。

【社会】ランクA
日本史…実力をつける日本史100題
世界史…実力をつける世界史100題
地理…実力をつける地理100題

国語や英語の印象からすると論述ばかりの問題を想像するが、実は語句記述や記号選択の問題も多い。そして、教科書より上のレベルの私大的な知識も結構問われたりする。おそらくそれなりに差がついている出題なので、配点の高い学部の志望者はぜひ高得点を狙いたい。