天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

法学部

【総論】配点は英語60国語50社会40の150点満点。問題には法学部色が強く出ており、他の学部と質的な違いが見られる。記述・論述問題が多いのも特徴だが、これらは意外に易しい。科目選択では世界史がもっとも対策しやすそうであるが、日本史は古漢文との相乗効果が期待できるし政経にも有効なテキストが存在するため政治経済学部ほどのあからさまな有利・不利はないだろう。

【英語】長めの長文2題、文法問題2題、和文英訳・自由英作文という構成。文法・作文の割合が大きく長文中に発音問題を含むなど形式が多様だが作文以外は全問マーク。
 長文…速読のプラチカ
堅い評論と詳説やエッセーの組み合わせで、少なくとも一方は1000語を超えるような長文。設問は英語での指示を正しく読めれば難しくないだろう。
 文法…英文法ファイナル問題集難関大編
熟語・語法・理詰めの文法などバランスがいい。マニアックな知識が問われることはほとんどないようだが、ある程度応用力が問われているので演習を積んでいないと苦戦する。
 作文…大矢英作文講義の実況中継
和文英訳は頻出の基本構文そのままというものが多く、きわめて易しい。自由英作文も立場を表明しその理由を述べるというオーソドックスなもの。
 参考書の詳細http://myshop.7andy.jp/md_fair/eigogakushu/glssyobo?shelf_id=07

【国語】…入試精選問題集現代文 中堅私大古文演習 漢文道場
古漢文1題、現代文2題。古文では物語ではなく評論・随筆なので読みやすいが、設問形式が幅広く紛らわしい選択肢があったりする。漢文の設問は多くないがしっかり文章を読まされる。現代文でも例年かなり堅い本格的な評論が出題される。抜き出し問題やかなり紛らわしい選択肢がある上に要約・意見論述問題も出題され難易度が高い。読解できていれば難なく解ける問題もそれなりにあるため、全体としては現代文の得意な生徒が有利な試験だと言える。

【日本史】…攻める日本史シリーズ、菅野の日本史必出史料
近代以降2題・以前2題とやや近現代重視だが、時代ごとの難易度は年によって異なる。近現代に初見の史料が多いのが特徴で法学部色が強い。全体として正誤問題・用語問題のバランスがとれており、どちらの形式でも難問率が高いので特徴的な史料問題で稼げないときつい。

【世界史】…教科書、段階式世界史論述のトレーニン
用語レベルはほとんどが教科書の枠内で、文正誤問題により多方面からの理解が問われる。用語問題集中心の学習は通用しないものの、ほかの科目より解きやすいのではないかと思われる。字数が200以上とやや多い論述問題が出題されているものの、これも実態は教科書レベルの内容を記述させる短論述を組み合わせただけにすぎない。分野としてはやや近現代の欧米が重視されている。

政経】…実力をつける政治経済80題、史上最強の最新時事完全攻略2007年版
各大問に1つずつは含まれる短論述、正誤問題、用語記述問題と形式が多様。難易度もそれぞれの形式について教科書レベルのごく基本的なものから明らかに高校レベルを超えた(大卒での民間企業程度の)ものまで幅広く出題される。時事的な問題がかなり多く、応用力が問われる設問も含まれる。
 参考書の詳細http://myshop.7andy.jp/myshop/glssyobo?shelf_id=08