天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

東京大学(2日目)

【英語】
構成・バランス 
1A要約 1B段落補充 2自由英作文 3リスニング 4A文法 4B和訳 5長文総合という構成。大問ごとの分量は年度によって差があるものの、合計するとかなり多く時間との戦いになる傾向は定着している。難易度としても全体を見ると常に水準以上であるが、大問ごとに見ていくとやはり易しい年と難しい年がある。これは、例えば1Bを完全に捨ててかかる者は2006年度のように1Bがわりと解き易くなれば大打撃を受けることを意味している。従って、どの分野も手を抜くことはできないので、学習量がかなり多くなることを覚悟するべきである。

 要約…(難)英文要旨要約問題の解法 (易)特別な対策は不要
文章が難しめのことが多いが、拍子抜けするほど簡単なことも。字数も多かったり少なかったり。 
段落補充(難)徹底英語長文読解講義 (易)長文英単語パワーアップ激増テーマ編
模試ではテクニックを駆使しないと解けない難問が多いが、本番だとわりと読めれば解けてしまうことも多い。ジャーナリスティックな英文が多く、読解だけでもそれなりの対策は必要。
 自由英作文…(難)自由英作文編英作文のトレーニング(易)同じく自由英作文編の例文のみ
簡単な年は本当に簡単な例文暗記で書けるが、難しいときは難しい。
 リスニング…灘高キムタツの東大英語リスニング
スピードが速く、内容も高度。さらに応答能力も必要と、かなりの難易度を保っている。
 文法…即戦ゼミ3英語頻出問題総演習
配点はかなり小さいと思われるが、難問も含む。本気で対策するとかなり負担が重い。
 和訳…(難)神戸の最強の英文読解3(易)英文和訳演習中級編
昔は難しかった。このところ易しめの問題が多いが複雑な英文が出ることもある。
 総合問題…速読のプラチカ システム英熟語
英文レベルは高くないことが多いが長文を一気に読む力と結構な熟語知識が問われている。
参考書の詳細についてはこちらhttp://myshop.7andy.jp/md_fair/eigogakushu/glssyobo?shelf_id=06

【地歴】
総論 150分で2科目ということで時間がかなり長いのだが量も相当多いため時間配分にも気をつけなければならない。論述中心の大学でもこの点は異例。また、地理の暗記量が日本史のそれを上回るのもかなり珍しい。英数国よりもクセが強いといえるだろう。推論問題の割合は日本史>地理>世界史の順で知識問題がほとんどをの世界史を軸にするのがセオリーとされる。しかし、過去には世界史がかなり難化した年もあるため一概にどの組み合わせが有利とは言えない。

日本史…教養の日本史 日本経済史 日本の外交(ただし用語レベルは教科書以下)
 全問論述で、各時代・分野のバランスは取れている。しかし、用語は教科書レベルすら必要ない一方でマニアックな参考書にも載っていないような事項を論述させたりする問題もあるため、全てを知識問題として処理しようとするのはあまりにも無謀。古代や近現代では論述頻出のテーマが多く、中世や近世では全く初見の資料問題が多い。受験生は教科書的な背景知識を思い浮かべながら資料と格闘することになるが、解答に必要ないダミーの資料もあり、設問の要求に即して答えるという現代文的な学力が重要。また、全時代通して過去の問題に類似したテーマが多いので古い過去問も使えると便利。
 参考書の詳細についてはこちらhttp://myshop.7andy.jp/myshop/glssyobo?shelf_id=05

世界史…中谷の世界史論述練習帖 (難)各国別世界史ノート (易)Z会世界史用語&問題2000
 第一問(大論述)第二問(中論述×3)第三問(短答中心)の配点がほぼ均等であると推測される。ある程度の地域的・時代的偏りは避けられないようだが、年度によってバランスが大きく異なる。短答のレベルは教科書を超えることはあってもほぼ用語問題集までには収まる。論述問題は頻出のテーマが多いし大論述でも与えられた用語を正しく使えばかなりの点数になると思われるので恐れる必要はない。ただし、書くべき内容に対して字数制限が厳しいこともあるので設問に沿った取捨選択は必要。ここで手間取っていると合計しての時間がきつくなりやすい。
 参考書の詳細についてはこちらhttp://myshop.7andy.jp/myshop/glssyobo?shelf_id=06

地理…実力をつける地理100題 記述論述地理 入試攻略問題集東京大学地理歴史

 短答・論述あわせた知識問題、センターや他大の2次にも見られる一般的な考察問題、そして東大独特の推論問題とバランスよく出題されている。量が多いときには推論問題に時間をかけすぎると危険。知識問題では意外と細かいところを突っ込まれることもあり、必要な暗記量がそれなりに多い。形式や推論問題について、予備校の模試や講習が的中して話題になることがしばしば。時事的な要素もあるので古い過去問は使いにくい。最新年度の模試問題集に加えて数年前のものを使えると便利である。
 参考書の詳細についてはこちらhttp://myshop.7andy.jp/myshop/glssyobo?shelf_id=07