天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

職業体験補足説明

 先日、職業体験として表現のコツや発想の源の話をしていたのですが、

 説明しようとしていたのに実はできていなかった部分がいくつもあるので、この場で補足しておきます。

 まず、表現をする仕事で重要なことについて。「語彙力」が決定的に重要であるという内容が抜けていました。「いつやるか、今でしょ」で有名な林先生は、もともと漢字や語句の勉強について「いつやるか、今でしょ」と言っていたように、語彙力をつけるのは早ければ早いほど良いと思います。

 次に、インパクトのある表現のコツについて。

 わかりやすい具体例に加えて、比喩表現をうまく使うというポイントがさらっと流れてしまっていました。教材として紹介した「ドラゴン桜」の場合ですと、「東大は勉強ができる子の甲子園」以外でも「歯を磨くように勉強しろ」「陸の上で水泳のフォームを教えて練習させているようなもの」といった比喩表現をそのまま絵にすることで強烈なインパクトを与えています。こういった表現は、たとえ絵がついていなくともわかりやすく、印象に残りやすいものです。

 最後に私の中学生時代の経験と今の仕事との関連について。受験勉強以外の経験については、時間が足りずにどう役立ったかの説明ができないまま終わってしまったのでこの場で補足しておきます。

 私が習いごととしてピアノをやっていたのは小学生までで、中学時代は曲の習得にしろ練習法にしろ独学で続けた形になります。ある程度の経験があれば誰かに習わなくとも、それなりのことを身につけることができるということを学びました。参考書さえあれば必ずしも塾や学校に頼る必要はない、ということにもつながります。

 剣道については、1対1での対人試合という特徴が役に立っていると考えています。体力や反射神経に技のレベルといった要素によって「強い」「弱い」ということは確実にあるのですが、対策次第で格上に勝つこともできるし、逆に油断すると格下にも負ける。入試と同じですね。また、剣道には「見取り稽古」という言葉があるように、強い選手の動きを観察し、その動きを自分のものにしていくよう指導されます。その分野の傑作と呼ばれる作品、売れている作品を研究するという発想につながったと思います。

 生徒会については、役員だけの活動ではなく、学校全体の活動にするためには、わかりやすい表現や面白いと感じさせることがとても重要でした。みなさんの学校であれば、行事や普段の活動に積極的に参加してくれる生徒も多いでしょうから、もしかすると重要度は異なるかもしれませんが、大事な要素ではあるのではないでしょうか。もうひとつ、私が中学3年生のときに学校の○周年記念行事があった関係で、かなり遅い時期まで役員を続けていたことも大きかったと思います。自分で決めたことなのでそれを言い訳にして成績が下がるのは避けたい、また入試直前の短い期間で合格平均以上の学力を身につけるには効率の良いやり方で受験勉強を進める必要があった。今私が作家や監修者として武器にしている学習法の一部は、この環境から生まれています。