天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

頭に良さそうな習い事

  みるからに頭に良さそうな習い事は別に頭によくないだろうと言うお話です。

 各科目の勉強に直接役立ちそうだから、という理由で習い事をさせるのはコストパフォーマンスがよくありません。

 一見国語、算数、英語の勉強に役立ちそうなのがそれぞれ習字、そろばん、英会話教室です。それぞれある程度上達してくれば、字が綺麗に書けたり、計算が速くできたり、英語に触れたりする効果はあります。が、ただそれだけです。受験技術研究家の立場からすると、効率の悪い勉強法ということになります。

 各科目の学力を伸ばしたいなら、ふつうにその科目の勉強をするほうが良いでしょう。字をきれいに書く、速く正確に計算をする、英語を話す練習をする、どれをとってもそのためのいい参考書・問題集はたくさんあります。どうしてもどこかに通わせたいなら(補習塾ではなく)進学塾系の幼児教室やキッズクラブのほうがおすすめです。ふつうに学力が伸びる可能性が高いです。

 もうひとつ、勉強につながりそうな習い事として思いつくのが野球です。テレビ中継にしろ、新聞のスポーツ欄やスポーツニュースのサイトにしろ野球には常に数字がついて回るからです。単純に点差や残り回数、貯金・借金という足し算引き算から、ゲーム差(小数)、投球回数(分数)、勝率・打率・防御率(割合)まで算数(代数分野)が網羅されています。これに親しんでいれば算数に強い子どもになる可能性が高いでしょう。

 ただ、冷静に考えてみると野球を自分でやる必要は皆無だということに気づきます。算数に役立つのは野球のデータに親しむことであって、ボールを投げたり打ったりすることではないからです。野球少年より野球ゲームやスポーツサイトで楽しんでいる野球オタクのほうが算数はできるようになる可能性が高いと思います。

 習い事は直接勉強の役に立つというより、体力や集中力といった基礎能力を高めることによって頭が良くなる効果のほうを期待するのが合理的であると考えます。