天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

社会の教科書という小学3・4年生の関門

よく9歳の壁とか10歳の壁とか小4の壁などという言葉で

小学校中学年ころから勉強が難しくなるということが言われています。

 特に算数に関して言われることが多いようですが、現行課程だと算数は特にどの学年から難しくなるということはないと思います。教科書に出てくるようなテープ図や線分図を使いこなせば理解でき、それをサボって公式の暗記ですませようとするとどんどんわからなくなっていくというメカニズムは1年生の時点から同じことだからです。

 それに対し、ほんとうに壁になっているのではないかと私が感じる科目が社会です。

3,4年生で特に重要な分野である環境関連は実はさほど難しくないし、良い参考書も出ています。

  

 

理科と社会がすきになる エコのとびら

理科と社会がすきになる エコのとびら

 

 

 ところが、3,4年生の社会であつかうのはそれだけではありません。地域の施設や産業などを題材にして5,6年生で学習する地理・歴史・公民の各分野をつまみ食いするような内容になっていますが、その深さについては5,6年時と何ら変わりないのです。

 さて、札幌市の場合、「わたしたちの札幌」という副読本に沿って授業が進められ、それに準拠したテストが行われています。副読本は扱っている理屈や使われている語いのレベルが高く、読むだけではやや理解しにくいのであまり使わないという先生もいるようです。しかし、テストは「わたしたちの札幌」に準拠しているので非常にむずかしいと感じる生徒が多く出てしまします。

 ここをスムーズに突破するには、やはり「わたしたちの札幌」を読みこなせるくらいの国語力が大切だと思います。語い力、もしくは辞書を使いこなす力。因果関係をつかむ力。一時的にまとまった内容を記憶する力。そしてある程度なめらかに音読する力。低学年のうちは算数より国語を重視して勉強すべき理由がここにあるのではないでしょうか?