天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

北大合格者の地元占有率はなぜ下がっているのか

 北大は昔から道内出身者の比率が低めで、わりと全国から学生が集まってくる大学として知られています。そして、ここ10年ほどでその傾向はさらに強まっています。

 2010年ころまで道内出身者が2分の1前後を占めていたのに対し、ここ数年は3分の1程度に過ぎないのです。

 こうなっている要因には大きく分けて2つあると思います。一つは北大の入試がより魅力的なものになっていること。

 学部別に見ると、獣医学部水産学部といった強みのある学部に加え、2011年に導入された「総合文系」「総合理系」において道内出身者の割合が低くなっており、全国の受験生に支持されていることがわかります。また、他の難関大学では廃止が相次いでいる後期日程でも道内出身の合格者が非常に少ないのです。詳しいデータは代ゼミの入試情報サイトで確認できますので、興味がある方はどうぞ。

 もう一つの要因として考えられるのは道内の高校生の学力と入試問題のギャップが広がっていることです。実は「大学入試センター試験」がそのあり方を徐々に変えてきており、すでに知識より応用力重視の傾向がかなり鮮明になっています。入試改革でセンター試験が変わると騒がれていますが、実は急に傾向が変わるというよりも、少しずつ変わってきた傾向を追認するという見方もできます。道内の高校生は応用度の高い二次試験が苦手なのでセンター試験で逃げ切るパターンが多いということは昔から言われてきました。しかし今の入試では、応用度が高い問題を避けているとセンター試験でも高得点が望めないのです。

 北大に限らず国公立大学を考えているのなら、応用問題で遅れを取らぬよう、できるだけ早い時期から学習の作法を身につけておくべきでしょう。