天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

更新再開のお知らせ

GLS書房を更新できなかったのは単純な手違いであることが判明し、無事更新を再開できました。

あわせて雑感をいくつか。

まず、GLS書房の性格について。
これはもともとマニアが自分の部屋を公開するようなスタイルでやっており、今後も変えるつもりはありません。
同好の士に見てもらえれば十分と思っております。誰かの役に立てようなどという高尚な理念は全くない。


この点で、著書とはまったく異なります。
著書が意識しているのはある程度教育熱心な保護者や、駆け出しのアルバイト家庭教師・塾教師です。
自分が受験した時代・地域・学校の常識をそのまま適用して失敗するケースを減らしたかった。
もう少し具体的に言えば
自分の時代の常識で考えるため子どもと話が通じない保護者や
学力は高いが地方出身で東京の受験事情や、できない子はどこができないかを知らない東大生のためのマニュアルとして書いています。生徒本人を想定しているわけではありませんが、保護者や指導者からの的外れなアドバイスを役に立つものに変えることでより多くの生徒に学力向上の機会を与えようという狙いがあります。それをうまく利用すれば情報強者の生徒がうるさい保護者に大して理論武装したり、なぜ保護者が頓珍漢なことを言うのか理解する役にも立つでしょうがそれは副次的なもの。あくまで受験に関する知識をあまり持っていない一般人を対象にしています。

逆に、今後も参考書マニア向けの書籍というのを作るのは困難だと思っています。
そんな狭い市場では部数が全く見込めませんし、今の形態の書籍だと情報の鮮度でネットに到底及ばないからです。
マニアなら最初から本など読まずネットで検索すればいいでしょう。
完全なマニア向けの書籍を成立させるには、参考書ブームが起きて一般人もみな参考書を買うようになるとか
古くなった部分を自動的にアップデートできる電子書籍が普及するとか、結構な革新が必要になるかと思います。
だから、これからも本を書くとしたら既ある読者層をターゲットにするのではなく
新しい層を開拓する、参考書市場自体の裾野を広げるようなアプローチになるでしょう。

あとはわりとどうでもいい、今回の更新で某出版社を別コーナーにまとめた件について。
出版事情を色々知る機会が増えたのを踏まえてのことです。
昨今の出版不況でいくつかの出版社はモラルを期待できない程度まで追い詰められているようです。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉のとおり、追い詰められた会社に必要なのは信用より当面の運転資金。
ましてや、あたかも読者一般に当てはまるかのような表紙を作りながら「個人の感想で商品の効能を(以下略)」
という方針でやってきた会社には期待する方が間違いなので、そういうものとして見るべきという判断です。