投票の参考になるように有力候補の簡単な特徴をまとめてみました。
有力候補はわりと政策に特徴があるので、政策で選ぶなら選びやすいと思います。
自民現職 長谷川岳 新しい自民党。規制緩和、移民賛成など経済成長重視の改革派。原発再稼働反対で改憲に消極的など安倍政権とは距離もあるとされるが、外交はアメリカ重視で派閥も総理と同じ親米保守の清和会。YOSAKOIソーラン祭り創始者で札幌で知名度が高い。
民進現職 徳永エリ 都市型左派。安全保障関連法廃止が最優先で保育問題にも熱心。一方、TPPなど経済については関心がないのか、的外れな質問で呆れられるなど能力に疑問も。元テレビレポーターで重大事件を担当していたことから、それを知る世代の知名度は高いらしい。
自民新人 柿木克弘 古い自民党。高速道路などインフラ建設を重視し、新党大地の支援を受ける。飲酒運転撲滅条例など、地方議員としての実績も。政策で安倍政権に近づかざるを得ないため原発再稼働や改憲もさることながらTPP反対と言えないのがかなり痛そう。
民進新人 鉢呂吉雄 田舎の大物政治家。北大農学部・農協出身、「農政の鉢呂」として知られTPP阻止が至上命題。よくも悪くも「放射能つけちゃうぞ」発言疑惑で辞職に追い込まれた元大臣としての知名度は高い。
前回および前々回の状況
2010 自民長谷川 95万
民主徳永 71万
民主藤川 57万
みんな中川 32万
共産畠山 20万
このときの民主党には新党大地の票(いわゆるムネオ票)推定30万があった
2013 自民伊達 90万
民主小川 58万
大地浅野 35万
共産森 27万
みんな安住 26万
大地は今回柿木を支援、みんな安住に政策が近いのは長谷川。これらの票がそのまま自民に流れれば自民勝利は間違いないでしょう。
長谷川 90万
柿木 60万
徳永 40万
鉢呂 35万
森 30万
くらいの圧勝になってもおかしくないのですが、はたしてそれはどうか。古い自民党支持だと、農村部を中心にアベノミクス支持の柿木ではなくTPP反対の鉢呂に投票する有権者が多そう。みんな票のうち反自民票は主に民進に流れるだろうし、候補者個人の知名度でも柿木は苦しい。
結果、
長谷川80万
徳永45万
鉢呂45万
柿木40万
森 25万
のように合計の票数ではかなり劣る民進が2議席獲得してもおかしくありません。マスコミの情勢調査ではそういう結果が出ているものもあります。当然自民としては長谷川の票を柿木に回したいところですが、スムーズにそれができるかどうかが勝負の分かれ目となるでしょう。
政策的に改革派が一人ということもあり、長谷川のトップ当選はほぼ間違いないと見られています。おそらく読者のみなさんも長谷川支持が最も多いとは思いますが「民進党の議席獲得を阻止したい」のであれば長谷川ではなく柿木に投票するのが最適な戦術でしょう。また、政治家の資質という点から徳永以外の候補に勝ってほしいという方も少なくないと思いますが、その場合でも長谷川ではなく柿木もしくは鉢呂に投票するのが合理的です。
なお、一部でチャンスがあるのではと言われていた共産・森は残念ながら苦しいと思います。「野党共闘」のおかげで今まで共産党がとっていた「自民は嫌だが民主はもっと嫌」という層からの票をあまり期待できなくなってしまったからです。森が善戦すればそれだけ民進党候補の足を引っ張ることになりますが、その効果も限定的でしょう。
ちょうど株価が大きく下がっており、しかもこれは「金融機関を介した事実上の増税」というアベノミクスの負の側面が効いている。昔から日本では自民党が大勝しそうになるとそれを嫌って他党に投票する自民党のゆるい支持者が存在すると言われていますし、アンチ自民の票もそれなりに伸びそう。