天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

寮を持つ注目の高校

今年のラ・サールは東大現役合格率が10%に届かず、
残念ながら凋落に歯止めがかからないという状況です。
文系ではクラスから文1に現役で10人ずつ進学した自分の頃との差は否定のしようがありません。

こうなると、ラ・サールと同程度の東大合格率を示す、寮を学校がたくさん出てくることになるので
今回はそういった学校を紹介しようと思います。

世間的にもっとも注目されるのは東大合格率2桁を達成した海陽中学校・高校でしょう。
あまりの学費の高さから実績を維持するのは難しいのではないかとも言われていますが
少なくとも初年度である今年はラ・サールなど他の高校をしのぐ合格率を達成しています。
ただし、海陽は全寮制であるため東大以外の合格実績はさっぱりです。
地元の名古屋大学合格者はわずか2名で北海道大学の4名にも届いていません。

この点、地元の国立大学にもそれなりの合格者を出している学校として
私が個人的に注目しているのが広島市の「AICJ中学・高校」と横浜市の「公文国際中学校・高校」です・
どちらも民間の教育産業と深い関わりがある点、女子寮も持っている点が特徴的です。
寮を持つ進学校として有名な久留米大附設や愛光は共学化したとはいえ、まだ女子寮を持っていません。

今のところの情報だと、AICJと公文国際の東大現役合格率は5%前後ですが
この数字は地元の公立トップ校を大きく上回ります。
さらにそれぞれ地元の広島大学横浜国立大学にも結構な数の合格者を出しています。
公文国際は自宅生にも寮生活を体験させている、
AICJは寮を「Englishハウス」とよび英会話レッスンの時間を設けているなど特徴があります。

地元の公立トップを上回るといえば札幌市の北嶺中学校・高校も今年は好調で
札幌南高校に人数でも差をつけ、大きく上回る東大合格率を達成しています。
ここ数年は北海道大学への合格者数も多く、地方トップ校の座を確保しつつあるといえます。

AICJ、公文国際、そして北嶺に共通するのは寮を持っていてかつ大都市に立地し優秀な自宅生を確保している点です。
今の傾向が続けば、これらのいずれかがラ・サールに取って代わるようになるかもしれません。