天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

「ネット塾」「ネット家庭教師」の比較

震災への対応で教育産業のIT化が加速しています。
http://dt.business.nifty.com/articles/737.html

「ネット塾」や「ネット家庭教師」の業者も大手から学生ベンチャー、個人事業までたくさん出ています。

「ネット塾」というのはたいていが映像授業を配信するものです。一部「ネット予備校」と称するものもあります。
これらは機能面に注目すればほとんどは「塾」や「予備校」とは別物です。
内容は簡単に言えば「教材屋」。従来からある通販やレンタルの高額DVD教材に似ています。
大手予備校のものは地方校舎で使われているのと同じような形ですし
http://www.yozemi.ac.jp/les/bb-tvnet/index.html
いくつかの科目をフリーで公開しているものでも、ほかの科目はDVDとして販売したりしています。
一ヶ月いくら(定額で見放題)、という業者もありますが、一講座いくら、というほうが主流のようです。
http://pinchiozisan.web.fc2.com/index.html
メリットは塾のブースで見るよりは安く、手軽であるという部分でしょうか。
塾と違って、先生に質問したりほかの生徒から刺激をを受けたりという機能は基本的にありませんので
あくまで「映像教材」としてとらえるべきでしょう。
たいていはサンプルの動画も用意しているので、気になるものがあれば実際に視聴してみてください。
この「映像教材」。進研ゼミやZ会といった通信指導大手も部分的に導入しています、
また、これらの通信教育業者は答案のやりとりをネット上で行うコースも導入しはじめており、
従来と比べて提出から返却までの時間が短縮されています。
小論文を中心に提出から即添削するという業者も出てきています。

「ネット家庭教師」はパソコンでの音声通話やテレビ電話機能を使っての1対1での指導です。
家庭教師と同様、その場で質問できますし、力のある指導者ならその場で答案の添削もできます。
地方にいても都会の有名大学の学生やプロ講師の指導を受けられるというわかりやすいメリットがあります。
通常の家庭教師と同様「一時間いくら」という料金設定が主流で、業者を通すとかなり割高になることも。
やはり家庭教師と同様、効果は指導者の力量に大きく依存しますが直接顔を合わせるのと比べてやめやすい、というのも特徴と言っていいと思います。大手派遣業者や個別指導塾チェーンが運営しているもの、中小の塾が補助的に行っているもの、予備校講師が立ち上げたの、学生が個人で行っているものなど運営者は多様ですが形態はほぼ同じです。

そのほかの形態である「コンサルティング」や「ネット予備校」(予備校の機能を持つもの」
については項をあらためて述べます。