天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

民主党に大逆風か 山岡達丸がまさかの順位

民主党の圧勝が予想されていた北海道で早くも逆風が吹き荒れそうです。
農村部ではアメリカとのFTAをマニフェストに盛り込んだことによる「FTA逆風」
が早くから言われていましたが、都市部でも大物議員の息子に対する異例の優遇によって「世襲逆風」
が予想されるのです。

この世襲に対する批判は早くから報じられていました。
http://news.livedoor.com/article/detail/4268720/

にもかかわらず、問題の山岡達丸候補は公示前の情勢なら当選確実な順位に掲載されたようです。
http://www.senkyo.janjan.jp/election/2009/99/008477/00008477_24009_000003.html

 接戦が予想されていた5区(自民党は町村元官房長官)、11区(自民党は中川前経産相)はこれで自民党有利になったのではないでしょうか。都市部を中心に猛烈な反発が予想されるため、札幌市などでも自民党候補の巻き返しが予想されます。共産、社民が候補を擁立した2区は面白いですね。何より、比例区での民主党の得票が大幅に減るはず。これで新党大地共産党はチャンスが広がった形です。うがった見方をすれば、この人工的な「逆風」は新党大地へのアシストなのかもしれません。もちろん、北海道以外で世襲批判を展開する民主党の各候補にも大きな痛手になり得ます。ことによると民主党の大勝を阻止して政界再編を主導しようという小沢一派の戦略なのでしょうか。

民主党鳩山代表を除く11人の小選挙区候補が名簿1位に名前を連ねているため、5区、11区で自民党の大物候補が勝利し、かつ比例区での民主党獲得議席が3にとどまれば比例単独候補4人中2位である山岡候補の当選は阻止されます。「FTA逆風」や「世襲逆風」などによって民主党の票が伸び悩めば十分ありえる状況なので、がぜん面白くなってきたと思います。