天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

北海道の注目選挙区 北海道5区

北海道5区は新米保守として知られている自民党町村派の領袖、町村信孝64歳の選挙区です。
町村信孝官房長官外務大臣を歴任してして顔が知られていますし、「まちむら」は乳製品のブランドとして地元に浸透しているなど知名度はかなり高いといえるでしょう。
町村は経歴も都立日比谷高校から東大経済学部、通産省というエリート。

民主党候補は労働運動出身の小林千代美40歳。
外交政策では「9条」をアピールするなど革新系のイメージが強い候補です。
学歴は中央大学法学部政治学科卒ということで、法律学科と比べて入試難易度は大きく落ちるのですが
一般的なイメージは悪くないと思います。地元では北大より格下に見られますけどね。

候補者個人の要因を考えると年齢を除いて町村圧勝でしょう。
その年齢にしても、過去の選挙の時と比べて小林が若くはないので、町村が不利になってはいないはず。
一方で政策的には比較的きれいな保守VS革新の構図です。
経済状況を考えると小林にも十分チャンスがあるというところでしょうか。

前々回、前回の選挙では町村が勝利しています。
ただし前回は約5万票の大差がついているものの、前々回は約9000票で若かった小林に詰め寄られています。今回は共産党が候補を擁立しておらず、共産票の多くは小林に流れると見られます。
ところで、北海道は旧社会党系の革新勢力が比較的強いのですが、5区の恵庭市千歳市には「自衛隊の町」としての側面があり保守派にも堅固な地盤があります。やはり新札幌を中心に都市部の無党派層がカギを握ることになるでしょう。彼らが冷静に人物を見比べれば町村優位ですが、重点選挙区と位置づけた民主党の攻勢でアンチ自民と化せば小林の逆転もありそうです。