受験会の大御所、和田秀樹氏は「知的レベルの高い中高年が指導層になるのは当たり前」
と主張されています
http://ameblo.jp/wadahideki/entry-10557254900.html
私たちも、ともすれば「昔の方が学力は高かった」ということを当たり前のように捉えてしまうきらいがあります。
しかし、それを示す客観的なデータはないのが現状です。
PISAのデータによると、今世紀に入ってからはどうやら子どもの学力が低下している分野があるようです。
しかし、それ以前のデータはありません。
何しろ、全国学力テストは40年以上もの間行われてこなかったのです。
そんななか、「実はゆとり世代の方が学力が高いのでは?」という議論を見つけました。
http://blog.livedoor.jp/ko_jo/archives/51441235.html
根拠になりうるのが科学技術白書のデータです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200601/001/002/0401.htm
「一般的には、子どもの学力が高い国は大人の理解度も高く、子どもの学力が低い国は大人の理解度も低いという関係が見られるが、我が国については、国際的に最上位レベルにある子どもの学力と対照的に、大人の理解度は下位に位置しており、極めて特徴的である。」
と指摘されている通り、日本の子どもは学力が高いのに大人は低い可能性が示唆されています。
もちろんこのデータの信憑性も怪しいところではありますが、
中高年の知的レベルが若者より高いと断言するのはかなり危険だと思います。
私なりの解釈ですが、日本が異常値を示すのにはやはり日本独特の原因があるはずです。
新卒一括採用と「年功」序列、終身雇用といった慣行がそれです。
しかも、21世紀になってからは変わってきていますが、以前の新卒一括採用では「学校名」こそがほぼ唯一の指標だったと言います。
こういう状況では、子どもが勉強するインセンティブはかなり高くなるでしょう。子どものころどれだけ勉強したかがその後の人生を決めてしまうからです。一方で、大学生も含めて大人が勉強することのインセンティブはまったくと言っていいほどなくなってしまいます。勉強しようがしまいが、よほどのことがない限り自動的に決まった額の報酬を死ぬまでもらえるからです、これでは学力が低下するのは当然でしょう。学力テストが必要なのは子どもじゃなくて大人の方ではないでしょうか?
こう考えると、子どもの学力だけを問題にするのはさほど意味がないように思えます。国全体で見れば、例え子どもの学力が低くとも、大人になってから勉強するなら国民の学力は高く維持できるからです。小中学校だけに注目するのではなく、社会全体の問題として考えると面白いことが見えてくるかもしれません。