天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

桃太郎電鉄WORLD レビューと攻略と効用

ボードゲームの傑作「桃太郎電鉄」シリーズの新作
桃太郎電鉄WORLD」の紹介です。
桃太郎電鉄」はサイコロを振って全国を回り物件を買い占めて収益を上げるという。
東大生など多くの受験勝者が指示する日本地理の学習ソフトなのですが
確率や割合といった算数・数学の学習にもかなり有効だと思います。
歴史や国語の語句知識への波及効果も侮りがたいですね。

そこへ今回の「WORLD」は文字通り世界が舞台。
やりこめば世界地理を中心に世界史や公民の知識も身につくでしょう。
これらはまさに「ゆとり世代」の弱点になっている分野です。

私がプレイしていたのは主に小学生~中1くらまでなので
相当昔との比較ですが以前より起伏が激しくなっているようですね。
一発で状況をひっくり返すようなカードやイベントが多くなっていますし
ピサやウランバートルなど特定の都市を買い占めると現れる「歴史ヒーロー」も協力です。
また、CPUキャラの「エンマ」が相当賢くなっているので
初心者はこれを真似るだけで簡単に上達できるでしょう。

さて、攻略のための基本的な戦略ですが
ミもフタもない言い方をしてしまえば「エンマ」を真似てその先をいく事ですね。

通して重要なのは貧乏神の被害を極力抑えること。
移動系のカードを優先的に集め、なるべく目的地に近づくよう、
それから万一貧乏神がついても、すぐ誰かになすりつけられるようにすることです。
キングボンビーなどに変身するとそのターン中に大打撃を受ける事が多いからです。
また、通常のボンビーでも独占をあっさり崩してくれます。
その上で効率よく資産を増やすには、まず比較的安い物件で固められている都市の独占を狙います。
例えばヨーロッパならウィーン、アジアならチベット、アフリカならアレクサンドリアなど。
単に目的地を目指すだけでなく、通り道でもうまく動いて資産を増やしていくのです。
また、高額物件がある駅でも収益率が高い物件は狙って取っておきます。
ある程度資金が溜まったら、もう少し高いが収益の非常に大きい駅を狙います。
ガラパゴスがその代表格ですね。
ここまでの戦略を実行するためにはカードを惜しまず使いましょう。

さて、中盤以降に差がついてきたら逃げ切りを狙うのと逆転を狙うのとで戦略が変わる部分があります。
逆転を狙うためにはイベントや強力なカード、歴史ヒーローなどを狙う。
逆に逃げ切りを図るにはそれらを防ぐのが基本的な戦略でしょう。
イベントや歴史ヒーローは早いもの勝ちなのでどちらも真っ先に狙う。
カードについては、追う側なら「とっかえっこ」「キングに!」などの一発逆転系を狙う。
逆に逃げ切るには堅実にいくほか「ふういん」「刀狩」などで危険なカードを封じる。
さらにインフレが進んできたら「ゴールドカード」や「シルバーカード」
で京都のゲーム会社やシアトルのネット通販会社のような金額・収益ともに大きい物件を狙うのも有効です。
こういった会社やイベントの元ネタは必要に応じて解説してあげたいところですね。

最後に注意点ですが、このシリーズはゲームとして非常によくできているので
低学年なら中毒にならないよう気をつける必要だと思います。
また、さすがによほど余裕がなければこの時期の受験生には勧められません。
家族で一緒にプレイできるというのが大きな魅力なので
冬休みを利用した次世代型・双方向型学習としていかがでしょうか?