天流仁志の受験情報ブログ

東大法学部(政治コース)卒、受験戦略研究の専門家です。ノウハウの大部分は「学習の作法」を始めとする著書で公開しており、本ブログは今のところその補完的な位置づけとなります。趣味の選挙の話もたまに書きます。

日本語教育能力検定 試験3 論述問題 分析と再現答案

分析
 
 400字程度というわりには、考慮しなければならない条件がたくさんあるので、書く内容には困らないでしょうが字数制限が厳しそうだと思いました。配点を考えると、かけられる時間は30分から40分程度、制限時間が厳しめで草稿用紙もないので、字数の感覚を持っている人でないとかなり苦戦するかもしれません。

 私は複数の著書を持っているプロですし、客観問題を解き終えた時点で60分以上残っていたので、ほぼ完全な下書きを残すことができました。以下が再現答案になります。採点基準が読めなかったので、用語加点方式の採点になってもいいように某予備校の解答よろしく、不自然んに専門用語を使っているところがあります。

再現答案

 私がこのクラスを担当するなら、授業ではロールプレイの中で学習者同士が相互に誤りを訂正するピア・トレーニングを中心に扱う。すでに日常生活に困らないレベルであれば、自らの誤りを客観視させることで正しい日本語を運用する力を効率的に伸ばすことが可能だからだ。さらに、学習者の能力にはさほどの違いがないので、競争意識や仲間意識を持たせることでモチベーションを高める効果を見込むこともできる。
 一方、「間違ったところを全て直してほしい」という学習者たちの希望も尊重すべきだ。この点もクラス人数が5名と少ないので、十分に魔族させることができる。学習者達が訂正し切れないような誤りはそう多くないからだ。難解な事項に絞った解説や、繰り返しミスしてしまう項目に絞ったパターンプラクティスが、知識を長期的記憶へと移行させてくれる。
 以上のように、中級以上の能力を持つ少人数への指導では、ピア・トレーニングを中心年、補助的に明示的フィードバックを活用するのが望ましい。